2013年8月20日火曜日

手島圭三郎の世界


  お盆も過ぎ、暑い一日の中にも秋の臭いを感じさせる風が吹くようになりました。
  力強い版画のタッチで北海道の自然を描く手島圭三郎をとりあげてみます。作者は北海道出身で、北海道の大自然また失われていく自然、そこに生きている動物や鳥がダイナミックに描かれています。

「くまげらのもり」手島圭三郎 作

「ひぐまのあき」手島圭三郎 作

「カムイチカップー神々の物語ー』手島圭三郎作・四宅ヤエ語り・藤村久和文 

絵本カフェには「くまげらのもり」ベネッセコーポレーション刊・「ひぐまのもり」ベネッセコーポレーション刊・「しまふくろうとふゆのつき」偕成社刊・手島圭三郎作「カムイチカップー神々の物語ー」福武書店刊「チピヤクカムイー神々の物語」福武書店刊・手島圭三郎作・四宅ヤエ語り・藤村久和文「エタシペカムイー神々の物語」福武書店刊・手島圭三郎作・
四宅ヤエ語り・藤村久和文「ケマコシネカムイー神々の物語ー」福武書店刊・手島圭三郎作・四宅ヤエ語り・藤村久和文「イソポカムイー神々の物語ー」福武書店刊・手島圭三郎作・四宅ヤエ語り・藤村久和文 があります。とくに「神々の物語」北海道の先住民族アイヌの人々が語り伝えてきた昔話です。是非、手にとりアイヌの人々に思いをはせて下さい
 

2013年8月13日火曜日

環境に関する絵本

ニセコ周辺はまだまだ自然が残っています。これ以上、環境が変わらないように願っているのですが。環境・自然に関する絵本をとりあげてみました。

「森はだれがつくったのだろうか?」童話屋刊

「いつかブナの森へ」講談社刊

「森の木」BL出版刊


「木を植えた男」あすなろ書房刊


「川はよみがえるーナシア川の物語」
              
 「森はだれがつくったのだろう?」ウイリアム・ジャスパソン文・チャック・エッカード絵・河合雅雄訳・ 森はどのようにしてつくられていくのか、線画で森がつくられるまでの過程が描かれています。
 「いつかブナの森へ」倉本富士男・作・絵・ 北海道のブナ林の南限は、黒松内・寿都といわれています。特に黒松内のブナ林は手軽に行けて、ブナ林の美しさを堪能できるところです。この絵本をご覧になって、ブナ林を訪ねてください。
 「森の木」川端誠・作・ 作者は2011年10月、近隣の町蘭越に来訪しました。この絵本は3月11日の原発事故以後、注目されました。絵本に描かれた物語は、丁度原発立地の地域のことと重なります。川端氏は意図して創作したものではないといっていましたが、3・11以後福島からいらした農業をしている佐藤さんがこの絵本を講演会場で紹介してくれました。
 「木を植えた男」ジャン・ジオノ原作・フレデリック・バック絵・寺岡襄 訳・ 有名なお話です。フランスのプロヴァンス地方の荒れた山に木を植えて見違えるような環境にした男の物語です。
 「川はよみがえるーナシア川の物語ー」リン・チェリー作・みらい なな訳・ 三女が中学生の時、文化祭で、この物語を題材に人形等を製作し立体的に展示し環境問題の重要性を訴えました。アメリカの先住民族が土地を奪われ、川を奪われ、そして土地や川も荒れ昔の面影はなくなってしまいました。この物語は北海道の先住民族アイヌの人々の戦いと同じ歴史と重なるものがあります。
  まだまだ暑い日がつづいています。カフェのホールは涼しいです。ゆっくり絵本を楽しんでください。      

                                                      

2013年8月9日金曜日

戦争・原発に関する絵本の特別展示

8月6日に紹介しました戦争・原爆・原発に関する絵本を2階絵本コーナーに展示しました。来られましたら是ご覧ください。8月一杯展示しております。

絵本展示            

絵本展示


2013年8月6日火曜日

広島・長崎  そして8月15日      

今年も暑い夏です。敗戦から68年、8月がめぐって来ました。絵本カフェにある戦争に関する絵
本、児童書を8月一杯ならべます。その一部を紹介します。

「えんぴつびな」長崎源之助・作 長谷川知子・絵

「約束」窪島誠一郎・作

「無言館を訪ねて」窪島誠一郎・編

「対馬丸・さよなら沖縄」大城立裕・原作

「地雷ではなく花をください」葉祥明・絵 柳瀬房子・文

「おこりじぞう」山口勇子・作 四国五郎・絵

「まちんと」松谷みよこ・文 司修・絵

「ひろしまのピカ」丸木俊・絵・文



「あの夏の日」葉祥明・文・絵
  今日、広島では平和祈念式が催されました。広島原爆投下から68年経ちました。2010年に初めて広島平和祈念式に参加しました。暑い日で、朝から太陽がジリジリと照りつけていました。原爆投下された日もこのような天気と聞いています。  この記念式には初めて国連事務総長、アメリカ駐日大使が参列しました。
     『えんぴつびな』(金の星社・刊)・・・わたしのこどものころ せんそうが あったの わたしのがっきゅうに とてもやんちゃな シンペイちゃんがいました。 でもわたしを いつもかばってくれていました。 あるひ シンペイちゃんは えんぴつで つくってくれた おひなさまをくれました。・・・  あるひ ひこうきがいっぱいとんできて わたしのまちは いちめんやけてしまいました。 
  シンペイちゃんは・・・・・・・・。     
     『約束』(アリス館・刊)『無言館を訪ねて』(講談社・刊)・・・先日「無言館」に関することがテレビで放映されていました。窪島氏は、ある日左手のない老画家と出会います。「自分は戦地から帰ってきて絵描きになれたが、絵が好きで画家になりたかった仲間たちがたくさん戦争で死んでしまった」と聞きました。窪島氏は戦没画学生の遺族をたずね残された絵を収集し長野県に収集した絵を展示する「無言館」を建てたのです。「無言館を訪ねて」は戦没画学生が描き残し、無言館に展示してある絵とその作者の経歴の写真集です。もう一冊あります。
     『対馬丸  さようなら沖縄』(理論社・刊)・・・昭和19年8月22日の夜、鹿児島の南、悪石島付近で、アメリカ軍の潜水艦の魚雷攻撃うけて沈没しました。軍の命令で九州へ疎開する沖縄の人々1661名をのせていました。このなかの八百数十名はこどもたちでした。生存者は157名だけでした。この絵本は、ドキュメンタリーアニメーション映画「対馬丸  さようなら沖縄」に基づいて編集制作しました。
     『地雷ではなく花をください』(自由国民社・刊)・・・絵本作家、葉祥明はこのシリーズ5作を絵本にしました。1990年代カンボジア・旧ユーゴスラビア・パレスチナ・アンゴラといった国々では、戦争が終わっても多くの地雷がそのままになっていた。その数世界中で約1億1000万個。多くの子どもや、大人が犠牲となりました。「地雷をなくして平和な世界を!」という願いをこめてこの絵本ができました。日本語と英語で文が書かれています。
     『おこりじぞう』(新日本出版社)・・・むかし。おとうさんやおかあさんが、まだほんの子どもだったころ。広島の町のある横町に、小さな石じぞうが立っていました。いつも笑っているような顔をしていました。人々は「わらいじぞう」だといっていました。  真夏の朝、アメリカ軍のB29爆撃機が広島上空に飛来し町の真ん中めがけ爆弾を落としました。原子爆弾でした。  いつもおじそうさんの前を通る少女がおじぞうさんの前で苦しみながらなくなりました。おじぞうさんの顔はみるみる怒った顔になりました。・・・・・・・・
     『まちんと』(偕成社)・・・作者は小学生の娘に戦争の話を聞いてくるという宿題がでたきっかけで、この絵本を描いたといっています。戦争を語りつぐということは説明することではないのだと。「わたしたちにわかる戦争の本ないの?」と聞かれ、生まれました。あの8月6日の広島の原爆の話が生まれました。「まちんと」という言葉は「まちっと」という方言を、幼い子がまわらぬ舌でいったのだろう思う。と作者はいっています。
     『ひろしまのピカ』(小峰書店・刊)・・・広島の原爆を知る絵本として、私はこの絵本が一番だと思います。北海道出身の丸木俊・夫の丸木位里とともに「原爆の図」を発表、大きな反響を呼ぶ。是非手にとってご覧になってください。
     『あの夏の日』(自由国民社・刊)・・・2000年7月29日・30日の両日、当地倶知安町で「北海道子どもの本の集い」が開催されました。そのときのメインゲストとして葉祥明氏の参加をいただき、ちょうど「あの夏の日」が発行され、この絵本についての講演をしていただきました。長崎の原爆投下を基にした絵本です。長崎市が全面的に絵本作りに協力してくました。日本語と英語で文が書かれています。

   こうやって戦争や原爆のことを綴っていますが、日本政府の曖昧さ(それとも二枚舌)が気になります。4月24日、スイス・ジュネーブでの核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備委員会で、日本は核兵器の非人道性を訴える共同声明に署名しなかったのです。世界で唯一の被爆国でありながら。またいまだに原爆症に苦しんでいる人がいる状況があるのに、あの福島の事故がありながら、放射能という手のつけられないものがあると知りながら、核不拡散といいながら、輸出をする日本。戦争から平和へと大きな希望と未来にむけた『憲法』を改憲するという動き。『平和・NO原爆』は8月だけの声なのでしょうか?

2013年8月3日土曜日

夏真っ盛り    涼しくなる絵本                                      

夏といえばお化けの季節。カフェにあるお化けや妖怪の絵本を何冊か取り出しました。
「ねないこだれだ」せな けいこ 作・絵 福音館

「日本妖怪図鑑」岩井ひろみ文 川端誠 絵 

「本所ななふしぎ」斎藤洋 文 山本孝 絵 

「スパイダーウイックの妖精図鑑」 文渓堂刊

「ゆきおんな」中脇初枝 文 佐竹美保 絵

「ねないこだれだ」は永遠の幼児絵本、私の子どもも孫もお世話になりました。2冊ボロボロに成り、3冊目の本がならんでいます。 「少年少女版日本妖怪図鑑」(文化出版局 刊)は日本に昔から伝わる妖怪が網羅されています。 「本所ななふしぎ」江戸本所(現在の東京都墨田区南部の地名、武家屋敷や寺社があり、縦横にはりめぐらされた水路があった)の闇。そこにうごめくもののけの話。 「アーサー  スパイダーウイックの妖精図鑑」(ホリー・ブラック 作 トニーディテルリッジ 絵 飯野眞由美 訳)扉表紙の記述から・・・・・すべては、ニューイングランドにある本屋に、トニー・ディテルリッジとホリー・ブラックあての、1通の不思議な手紙がとどけられたことからはじまりました。それは、マロリー、ジャレッド、サイモン・グレースという3人きょうだいからの手紙で、中には彼らの大大おじさんであるアーサー・スパイダーウイックが残した、1冊の大きな未完成の本のことが書いてありました。多くの人が伝説の生き物だと思っている妖精たちについて、アーサー・スパイ
ダーウイックが実際にその目で見て、詳しく描写した本だというのです。・・・・・・・・・・・
 「ゆきおんな」(小学館刊)私も小さかった頃、父親に雪の降る夜に「ゆきおんな」の話を聞かされたものです。この話は沖縄を除く全国で語られています。児童文学作家の千葉幹夫は『自然の恐れと、子どもの思いが込められ話』であるといっています。

2013年8月2日金曜日

絵本カフェは自然のクーラー

毎日暑い日が続きます。ここ最近絵本カフェの周りには建物が多くなりましたが、まだまだ木々が生い茂り涼しい風がホールの中を通りすぎていきます。ゆっくりと冷たい飲み物を飲みながら絵本をご覧になってください。
絵本カフェへの路

絵本カフェの玄関。山ぶどうのツルが絡まっている。残念ながら実はなりません。

木々からの風が吹き込むホール

まつり       

  8月に入り、子供たちは夏休みの真っ盛り、あちらこちらで祭りがおこなわれています。お祭り の絵本を3冊取り上げてみました。
こどもものとも 菊池日出男さく・え

歌田典子さく 倶知安町絵本館蔵

ブルーベル館・高部春市
  「はるまつり」と「はちまんさまのなつまつり」は田舎での子どもの頃のお祭りを思い出させます。           
                   
           

2013年8月1日木曜日

夏祭り  倶知安神社の夏祭り お神楽奉納

7月27・28・29日に倶知安町の倶知安神社祭典が催されました。この神社のお祭りは、山車や、沢山の夜店はありません。御神輿と町の無形民族文化財の赤坂奴が2日間町の中を練歩きます。私が興味をもったのは夜宮の日に催される奉納神楽でした。今回初めて倶知安神社の神楽を見ることが出来ました。この神楽は昔から奉納されたものらしのですが、この地独特の神楽ではなく、道内の神社祭典のときに奉納される神楽を持ってきているそうです。今回は『松前神楽』が奉納されました。「松前神楽」については『松前神楽』で検索すると詳細がわかります。
榊舞

福田舞

鈴上舞

利生舞

翁舞

獅子舞(五方舞)


ササラの手(天狗舞)

獅子と天狗と孫が共演
               






                                
  舞の説明に誤りがありましたらお許しください。孫2人も参加しました。1歳の孫は獅子にかまれるとおお泣きし、又獅子に抱きかかえられていくとお姉ちゃんが助けに行く場面があり、大笑いの会場でした。子どもがいると和みます。